その2 『普通じゃない人』 『え〜っと、帽子をかぶった女の人?』って答えたら でももうちょっとよ〜く眺めてごらん? ほら、こうして見ると老婆に見えるでしょ?』 『おお、そっかぁぁ!なるほど!!』
想像力を養うなんたらかんたら、、、って言いながら よく授業の最初にその遊びをしかけてくる 美術の先生がおりました いろんなバージョンを用意してくる その先生の顔も名前も すっかり忘れてしまいましたが
毎回よくもまあいろんなネタを探してくるなあって その先生の涙ぐましい努力に感心したものです
そんなとき、たいがい自分はというと まず最初に『普通はそうなんだけど』じゃない方の絵が 飛び込んできていたという事実なのです
自分が思いつかなかった方の いわゆる『普通』の方の答えをさらっと言ってしまい 先生が『普通はそう、、、』 っていうお約束の言葉を吐いた後に 自分が指され なかなかすぐに答えられなかったものです 『あ、そっか』と 意表をつかれているところに 『え?だったら私って普通じゃないの?』 っていう戸惑いも若干加わって すでに『普通じゃない』方の答えが 頭に思い浮かんでいたのにもかかわらず 素直にその『普通じゃない』方の答えを 簡単に言ってしまうことに とても抵抗があったわけなのです
さらっと『普通じゃない』方の答えを言ってしまい
『おおぉぉ!拍手〜!!』 当時自分が逃してしまった手柄を 釈明したいわけではありませんが
もとい
『思い込んだら』を『重いコンダラ』って勘違いをして コンダラって何〜〜???って疑問を持ってたとかって 人が話した時『そうそう、オレも〜!!』とかって みんなが賛同して盛り上がるじゃないですか
『アルプス一万尺』にしてもしかり
ぱっと思いつくところで他に例を挙げてみるわけですよ あれって『つたのからまるチャペルで〜』って始まるでしょ? あれが『津田野からマルチャペルへ〜』って聞こえてて うふっ、 『津田野』って地名が日本のどっかにあって マルチャペルってどこ〜〜〜?って考えて 響きからして ロシアかなんかにある地名だと思って だからてっきり 日本からロシアまで祈りの旅をした歌なんだなーって ずっと思ってたんですぅぅ〜!!
いまいち賛同者がいないんです
続けるわけですよ。
『オリーブの首飾り』って曲があるじゃないですかぁ? あれを『オリーブの首吊り』って読んじゃって うふっ、 そのままの意味でインプットされてたの〜、ずっと。 世の中にはなんてダークな曲があるんだろって、 すごいシュールな気持ちになってたしぃっっ、、、
しかも『それってどんな曲だっけ?』と あっさり流されてしまうわけです
残念ながら誰とも分かち合うことなく そんなことを言ってみたりした自分を 多いに悔やんだり悔やまなかったり
勘違いの件にしても
自分は何かにつけて 『普通じゃない』感覚なのかと
『普通じゃない』という響きは あんまり喜ばしくない感じがしますが
『普通じゃない人』なりの利点もあるんです
自分の身にふりかかっても、 『そっか、そうさ、おいらは普通じゃないからだ』で さっと片付けられることがあります
うわぁ〜ん!なんでなんで 風邪ひいてお腹もこわして しかもひき逃げされて肋骨全部折らないといけないのよ〜? あさってライブなのに〜〜〜!!
熱下がんないし肋骨も痛いし普通歌えるわけないじゃん! 普通っ!! おお、そっか!そうだった!! おいらは普通じゃないんだ! 普通じゃないから 普通じゃ出来ないことが出来るはずだ! すこぶる前向きになれます 電話もガスも止められて かろうじて水は出るが家賃も滞納してまさに万事休すぅぅぅ
ってな場合 自分は普通じゃないわけだから もしかしたら普通では考えられない超ラッキーなこと、 そう、例えば 1億円当選の宝くじをまんまと拾うかもしれない! いや〜ん、うふっ!
マルボロの一箱ぐらい 取り忘れがあるかもしれぬとばかり 通りすがりにちらりと タバコの自販機をのぞく楽しみも持てるぜぃ!
実は前向きなパワーを生み出すこともあるわけなのです
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